肉離れ
走っていた選手が「ピキッ」っとなり、
モモ裏を押さえて急に動けなくなる。
それは、
肉離れが起きたのかもしれません。
肉離れとは一般的な呼ばれ方であり、
「筋断裂」や「筋挫傷」という外傷が
起きている場合に使われる言葉です。
ハムストリングスの肉離れは
アップやストレッチの不足が
主な原因と言われ、受傷すると
「アップやストレッチが足りない」と言われることが多いです。
しかしハムストリングスの肉離れの原因はもう少し複雑で、予防や再発防止策は個々の状態を見て行われる必要があります。
「パフォーマンスが低いことによる受傷」と「パフォーマンスが高まりおこる受傷」が
あります。
ハムストリングスの肉離れはスポーツ現場でよく見られる怪我の一つです。
よく言われている特徴としては
・ダッシュなどでハムストリングスに
急激な負荷がかかる場面に多い
・単独(非接触プレー)で受傷することが多い
・身体が硬い選手がなりやすい
・寒い時期に受傷することが多い
・再発しやすい
などが挙げられます。
受傷すると短くても1~2週はスポーツのプレーは難しく、重症だと手術を要することもあります。
精神面にも影響を与えます。
再発を繰り返していると、ダッシュしたい時でも「また痛めるんじゃないか?」という恐怖心から、パフォーマンスが低下します。
また、完全に治ったと過信することで、
プレーを再開した結果、
再発するという選手も多いです。
パフォーマンスアップを図るためにも、
ハムストリングスの肉離れは
予防することが絶対であり、
原因をみつけ再発予防策をほどこす必要があります。
【パフォーマンスが低いことによる受傷】
ここで言うパフォーマンスが低いというのは、ハムストリングスが本来持っている能力を発揮できていない状態を指します。
アップ不足で本来ハムストリングスが持っている柔軟性や筋力発揮の準備をせずにプレーしたとします。
その状態で急加速などの動きをする際、
ハムストリングスの収縮力が耐えられず
怪我をしていまいます。
この構図は一般的な受傷機転として
選手や指導者の間で認知されています。
対策としては
・アップの見直し
・ハムストリングスの柔軟性と筋力の向上
などが挙げられます。
アップの見直しは受傷後すぐに考えられます。
ハムストリングスの柔軟性と筋力の向上は
怪我が治ってからでないと実施できません。
【パフォーマンスが高まりおこる受傷】
選手が日々のトレーニングやケアにより
パフォーマンスが高まってきている過程にあるとします。
こういった選手の場合、アップはしっかり行っており、ハムストリングスの柔軟性も低くないことが多いです。
スポーツにおけるパフォーマンス向上の重要な要素の一つに、スピードの向上(初速や最高速度)があると言えます。
身体操作のレベルを高めたことによりスピードが向上するが、そのことがハムストリングスへの負荷を増大させてしまい受傷に至るという構図です。
ハムストリングスの肉離れとひとくくりにして、このような選手に先ほどと同じ対応をすると、原因の解決にはなっていないため再発のリスクは高いままと言えるでしょう。
せっかく高めたスピードなのですから、ハムストリングスに負荷が集中しないような身体環境を整える必要があります。
【受傷してしまった選手を受傷前の120%の状態で復帰させるために】
ハムストリングスの柔軟性と筋力が大事なのはわかっていただけると思います。
しかしプレースピードが速くなるに連れて重要になってくるのが
「トップスピードでプレーしてもハムストリングスの負荷が極力増えないようにする」
という点です。
様々な要素がありますが、『仙腸関節』と『腰椎椎間関節』の柔軟性を高めることをオススメします。
この関節はちょうど身体の中心部分に位置し、上半身の動きを下半身に伝えるのに重要な役割を果たします。
この関節が硬いと上半身の腕振り等で得られた推進力を下半身に伝えることが難しくなります。
すると下半身は下半身だけで推進力を作り出す必要が生じ、その役割を担うハムストリングスの負荷が増えてしまいます。
また、この関節が硬いことで『股関節』が単独で動かなくてはならない範囲が増えてしまいます。
頑固で動かない関節があると、比較的動きやすい近くの関節が無理に動かされるということです。
ハムストリングスの上部線維は股関節の脚を後ろに蹴りだす動きを行う筋肉なので、股関節の可動範囲が無理に拡大すると当然筋肉に負担はかかります。
以上の理由からハイスピードを実現しつつハムストリングスへの負荷の集中を防ぐために、仙腸関節と腰椎椎間関節の柔軟性が重要なんです!!
やっかいなことにこの部分は『拘束腰芯』と呼ばれ、人体でも硬くなりやすい場所です。
柔軟性を向上させるためのストレッチには様々な種類のものがあります。
しかし、疼痛などある場合は無理はしないでください。
最後までお読みいただきありがとうございました♪
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